木製のかんな止めは、手工具用の作業台に施せる、もっとも静かな改善のひとつです。万力のように板を締め付けるものではありません。代わりに、加工材の端を当てられる低い受けをつくります。かんなを前へ送る力によって板は収まり、止めが板が向こう側へ動くのを防ぎます。
平面を削るとき、この簡単な仕組みはクランプを使うより手早い場合が多くあります。表面を空けておけることも利点です。かんなに引っかかるクランプの頭がなく、万力の中で何度も材料を向き替える必要もありません。広葉樹とダボで作る低い着脱式の止めは、最初の一つとして適しています。ドッグホールのある既存の作業台でも、どんな頑丈な台にも載せられる別体の削り台でも使えます。
大切なのは止め全体の大きさではなく、作業面からどれだけ出るかです。材料を受け止められるだけの高さにし、それ以上高くしてはいけません。出っ張りすぎた止めは、かんな刃にとって障害になります。
作業台に合う形式を選ぶ
木製かんな止めには、便利な形式が二つあります。
ダボ付きの着脱式止め
これは、下面に二本のダボを取り付けた薄い広葉樹の板です。ダボを一対のベンチドッグホールへ差し込み、加工材の手前側で止めを保持します。作るのも外すのも容易で、作業台に恒久的な変更を加える必要がありません。特に、作業台にすでにドッグホールがある場合や、取り外せる作業板で作業する場合に便利です。
ほとんどの人にとって、これが賢明な出発点です。また、削る板の長さに応じて、都合のよい位置へ止めを移動できます。
ほぞ穴に埋め込む面一の止め
より恒久的な伝統的な方法として、作業台の天板の片端近くに設けたほぞ穴へ広葉樹のブロックを納める形式があります。必要なときにはブロックをわずかに叩き上げ、使わないときにはほぼ面一まで下げられます。これは美しく耐久性の高い保持方法ですが、作業台にも作り手にもより多くを求めます。薄い天板、軽い天板、すでに傷んでいる天板に大きなほぞ穴を切る価値は、ほとんどありません。
この記事では着脱式を中心に扱い、面一に埋め込む形式にも同じ原理がどう当てはまるかを説明します。
材料、工具、寸法の目安
木目が通った広葉樹の端材を選びます。ブナとオークはいずれも適しています。へこみに強く、ダボを確実に保持できるからです。止めには繰り返し木口方向の力がかかるため、もろい材や節のある材は避けてください。
一般的な板に使う止めなら、まずはおよそ次の寸法の板から始めます。
- 長さ300 mm
- 幅35~45 mm
- 厚さ8~10 mm
これらは厳密な規則ではなく、出発点となる寸法です。板は二つのドッグホールを余裕をもってまたぎ、かつ高い障害物にならず安定するだけの幅が必要です。作業台のドッグホール径が決まっているなら、それに合うダボを用意します。市販のブナまたはオークのダボは、まっすぐで無理なく入るものであれば十分に使えます。
必要なものは次のとおりです。
- 止め用の広葉樹端材
- 作業台の穴に合う太さの広葉樹ダボ2本
- 木工用接着剤
- 板を成形するためののこぎりとかんな、またはその他の手段
- ダボ径に合うドリルとビット
- 直角定規、けびき針または鉛筆、定規
- 接着時に使うクランプ
- 控えめな仕上げ用の亜麻仁油またはワックス
作業台にドッグホールがない場合は、削り台を作りましょう。加工材を支えられる大きさの平らな板の一端に、止めを固定します。削り台は作業台にクランプで留めるか、作業台の縁に当てて使います。これなら作業台には手を加えずに済み、使わないときは収納できます。
準備:使用時の高さを見つける
穴あけや接着をする前に、予定した位置へ薄い試し板を置き、それに板を当てます。板の上にかんなを載せ、試し板へ向かって動かします。
止めは、板を受け止めるのに必要な量だけ出ていれば十分です。通常の平面削りでは、およそ3~6 mmの出幅で足ります。薄い材料ならさらに低く、厚く荒い材なら少し高くしても構いません。かんな本体が材料の上を通過し、刃や口が止めに届かないようにします。
木製の止めは金属製より寛容ですが、それでもかんなを当ててはいけないものとして扱うべきです。低く設定し、かんなが材料から抜ける前にストロークを止めてください。
材料を当てる作業台の端近くで、二つのドッグホールに渡るよう板を置きます。可能であれば下側から穴の中心を写し取ります。それが難しければ、短いダボの切れ端や位置写し用のポイントを穴に差し、板を所定位置に置いて軽く押し、下面に印を付けます。配置は二度確認してください。ダボ穴の位置がわずかでもずれると、ほかはしっかり作られた止めでも使いにくくなります。
着脱式木製かんな止めを作る
1. 広葉樹の板を整える
板を平らに、まっすぐに削ります。長辺の上側を小さく面取りするか、サンドペーパーを数回かけて角を和らげます。これは見た目のためだけではありません。角を落とせば手に優しく、ささくれも生じにくくなります。
下面は作業台に直接接するため、十分に平らに保ちます。上面は簡素なままで構いません。高い立ち上がりのある縁は付けないでください。薄い板そのものが止めになります。
2. ダボの位置を罫書く
二つのベンチドッグホールの中心を、板の下面に印します。穴は両端から十分に内側へ入れ、周囲に十分な無垢の部分を残します。左右対称にすると見やすくなりますが、正確な対称性よりも作業台の穴に合っていることが大切です。
必要に応じて直角定規を使い、幅方向に印を移します。それぞれの中心に目打ち、またはけびき針の先で小さなくぼみを付けます。これにより、ドリルビットをきれいに始められます。
3. 直角に、浅いダボ穴を開ける
下面に対して垂直に穴を開けます。ボール盤なら簡単ですが、小さな直角定規で確認しながら慎重に使えば手持ちドリルでも可能です。確実な接着面を得つつ、上側に十分な材を残す深さまで掘ります。薄い止めでは、上面まで貫通させないでください。
接着前に、各穴へダボを試しに入れます。しっかり入るべきですが、板を割るほどきつくてはいけません。きつすぎる場合は、無理に押し込むのではなく、ダボを少し削るか研磨してください。
4. ダボを切り、合わせる
ダボは、ドッグホールにしっかり入る一方で、止めが作業台の上に平らに座る長さに切ります。正確な長さは作業台によって異なりますが、穴の底まで届く必要はありません。止め板はダボだけでなく天板に当たって力を受けるため、適度に差し込まれていれば十分です。
下端を少し丸めるか面取りします。こうすると、穴の縁を傷めずにダボがドッグホールへ入りやすくなります。完成形を接着せずに作業台へはめてみます。しっかり手で押せば収まり、苦労せずに抜ける状態が理想です。
ダボがきついなら、この段階で調整します。何度も無理に押し込んで馴染ませようとしないでください。穴を傷め、止めの動作も不安定になります。
5. 接着し、直角を確認する
ダボ穴と各ダボの上側に接着剤を塗ります。ダボを差し込み、ダボを上に向けて平らな面へ置くか、作業台の穴そのものを位置決めのガイドとして使います。
二本のダボが板に対して垂直か確認します。片方でも傾くと、止めががたついたり、きちんと収まらなかったりします。はみ出した接着剤を拭き取り、接着剤が完全に硬化するまで動かさずに置きます。
6. 軽く仕上げる
亜麻仁油を薄く塗るか、少量のワックスを施せば十分です。目的は木肌を手触りよく保ち、汚れが付きにくくすることであって、光沢のある厚い膜を作ることではありません。仕上げによって滑りすぎたり膨らんだりする場合があるため、ダボと作業台が接する面には仕上げを付けないでください。
乾いたら、最後にもう一度はめ具合を確認します。端材の板を止めに当てて削り、材料が留まるか、かんなが安全に止めへ近づけるかを観察します。
平面削りで止めを使う
止めの長辺が削る方向と直角になるよう、ドッグホールへ取り付けます。板を作業台に平らに置き、手前側の端を止めにそっと当てます。右利きの人なら、かんなを身体から遠ざけるように進められるため、止めは作業台の左端近くに置くことが一般的です。左利きの人は逆を好むかもしれません。削る動きが自然で、板が止めにしっかり当たるように材料を配置します。
身体を使って制御された前進運動を行える姿勢を取ります。ストロークの始めでは、板を止めへ収めたままにするだけの前向きの力を維持します。特に薄い板や支持の少ない板では、板がたわむほど強く下へ押し付けないでください。
まずは短く制御した数回の削りから始めます。削りの間、板はその場に留まるはずです。横へずれるなら、止めを高くするのではなく横方向の支えを加えます。ベンチドッグ、ホールドファスト、くさび、または二つ目の低い止めを使えば、幅広の材や扱いにくい材が横へ動くのを防げます。
薄い材料では、止めが材料に対して高すぎる場合、ハードボードや合板などの薄い犠牲板の上に材料を載せます。下敷きの板によって材料が止めに対して高くなりつつ、低く開けた削りの経路を保てます。
木端削りで止めを使う
かんな止めは木端方向の作業にも役立ちます。ただし長い板では、万力に木端を挟むほうが便利なことが多いでしょう。短い部材や軽い仕上げ削りなら、板を木端で立て、低い補助ブロック、ベンチドッグ、または簡単な当て木で支え、倒れないようにします。
重要なのは安定性です。止めは前方への移動を抑えますが、細い板が回転するのは防ぎません。加工材は低く保ち、広い面を支え、控えめに削ります。組み方が動いたり、刃の経路の近くで片手で板を押さえる必要があったりする場合は、万力またはより安全な支持方法へ移してください。
写真: UnsplashのJean-Baptiste D.。
面一に埋め込む止めを作る場合
手工具専用の作業台なら、同じ低い止めの原理を天板に組み込めます。割れに耐えられる幅があり、ほぞ穴にしっかり収まる長さの広葉樹ブロックを作ります。作業台の作業端近くに、側面がまっすぐなぴったりしたほぞ穴を切り、周囲には十分な材を残します。ブロックはがたつかずに動くべきですが、季節による木の動きで固着するほどきつくしてはいけません。
下げた状態では、ブロックが天板とほぼ面一になるように合わせます。使用時に上げる量は、数ミリメートルの出幅で十分です。浅い指掛かり、下から届く穴、または上へ叩き出す手段を設けると、調整しやすくなります。
ほぞ穴を最終的に決める前に、最も長いかんなで位置を試してください。止めは板を十分支える位置に必要ですが、ストロークの終わりにかんな刃が当たりやすい位置であってはいけません。
避けたいよくある失敗
止めを高く作りすぎる
これはよくある失敗です。高い止めは材料を簡単に受け止めますが、かんなも受け止めてしまいます。まずは低く作りましょう。低い仕組みは材料の下に下敷きを入れて高くできますが、固定された高すぎる止めを低くするには作り直しが必要です。
軟らかい木や弱い木を使う
パインなどの軟らかい端材でも短期間は使えますが、受ける縁がすぐにへこみ、ダボの接合部も耐久性に劣ります。少量の材料で済むので、密度の高い広葉樹を使いましょう。
摩擦だけに頼る
作業台にただ置いただけの板は、材料と一緒に動きがちです。ダボによる位置決め、固定した当て木、またはクランプで留めた削り台にすれば、確実に支えられます。
横方向の動きを無視する
かんな止めが防ぐのは前方への滑りであり、あらゆる動きではありません。幅広の板、斜め方向の削り、荒い削りには、横用のドッグやくさびが必要になることがあります。必要な場所にだけ保持を加え、作業台の面はできるだけ開けておきます。
止めに向かって削る
各ストロークの終わりまで注意を払ってください。かんな刃が止めに届く前に、かんなを持ち上げるか力を緩めます。これにより刃先と止めの両方を守れ、落ち着いた繰り返しやすいストロークが身につきます。
木製かんな止めが役立つのは、単純だからです。低く作り、正確に合わせ、意識して力をかけて使えば、広い作業台の面が安定した削り場になります。小さな広葉樹の部品ですが、役に立つ古い習慣を取り戻してくれます。つまり、何をするにも材料を締め付けるのではなく、作業台に当てて支えるという習慣です。