止め溝は、キャビネット側板の見える前縁まで達しないように止めた、棚板を収めるための溝です。棚を広く平らな面でしっかり支えながら、溝の開口部が箱物の前面を横切って見えるのを防げます。
この作業で求められるのは力よりも正確さです。棚板に対して溝が緩すぎれば修正が必要になり、きつすぎれば組み立て時に側板を割ったり、溝の側壁を傷めたりするおそれがあります。最も確実な手工具の方法は、実際の棚板から墨付けし、けびき針と鋸で側壁を定め、のみで大半の不要材を取り除き、ルータープレーンで底を仕上げることです。
この継ぎ手の役割
溝はキャビネット側板の木目を横切る方向に切ります。止め溝では、溝は背面の縁から始まり、前面に達する前で止まります。設計に応じて、棚板は組み立て時に後方から差し込むか、棚板の周囲に箱を組み立てます。
止め側の端は、取り付け後も隠れるよう、前縁から十分に後ろへ離しておく必要があります。框、後付けの縁材、またはモールディングで縁を覆う場合は、その距離にも影響します。ただし、不正確な墨付けを後から取り付ける化粧材でごまかそうとしてはいけません。止める位置は意図して決め、その前には十分な健全な木部を残してください。
一般的なキャビネット製作では、側板の厚みのおよそ3分の1を溝の深さの出発点とするのが目安です。正確な深さは材の厚み、棚にかかる荷重、そして全体の構造によって決まります。特定の比率を選ぶことよりも大切なのは、底面を平らに保ち、二つの側壁を直角に仕上げることです。
道具と準備
キャビネット側板と、寸法だけを定規から取るのではなく実際に使う棚板材を用意します。さらに、次のものを準備してください。
- 先端の細いけびき針
- 鈍いピンではなく、鋭い刃の付いたものが望ましい罫引き器
- 直角定規
- 木目を横切る切断を正確に行える胴付き鋸
- 溝幅より狭い、よく研いだ平のみ
- 木材の硬さに応じて使う木槌
- 溝の中で無理なく使える幅の刃を備えたルータープレーン
- 重要度の低い基準線用の直定規と鉛筆
継ぎ手の墨付け前に、棚板の縁を鉋で整え、真っすぐにしてください。反りやねじれ、粗い鋸目の残った棚板の縁は、信頼できる基準にはなりません。同様に、溝を切るキャビネット側板の面も準備します。内側になる面と前縁を最初に明確にしてください。小さなキャビネットメーカーズ・トライアングルや、はっきりした鉛筆書きがあれば、誤った面に溝を切るという高くつく失敗を防げます。
加工材は、しっかりした作業台の上に内面を上にして置きます。全面を支え、鋸やのみの作業中に動かないようクランプで固定してください。特に止め側の端の近くでは、こじったり不用意にのみを打ち込んだりすると、見える面に向かって繊維が割れることがあるため、確実な固定が重要です。
写真: Will Suddreth on Unsplash。
棚板そのものから墨付けする
1. 棚の位置を印す
直角定規とけびき針を使い、キャビネット側板を横切って棚の位置の一方の縁を印します。棚の位置を端から測る場合は、箱全体で使用しているのと同じ基準縁から測ってください。
実際の棚板の縁を最初のけびき線に当て、棚板を直接の基準としてもう一方の縁もけびきます。これにより、鉋がけした材にわずかな厚みのばらつきがあっても、棚板の実寸をそのまま写し取れます。けびき針は棚板にしっかり押し当て、最初から深く切り込もうとせず、軽い線を何度か重ねてください。
二本のけびき線が溝の側壁になります。その間の不要材だけを鉛筆で塗りつぶします。少し視覚的に明確にしておくと、板を裏返したり後でクランプしたりする際に役立ちます。
2. 深さと止め位置を印す
定規またはあらかじめ作った深さ見本を使い、罫引き器を意図する深さに合わせます。溝を切る範囲の幅全体に深さ線を罫引きます。罫引き器はキャビネット側板の内面を基準に使い、毎回同じ面にフェンスをしっかり当ててください。
続いて、溝を止める位置を印します。その地点で、溝の幅を横切るように直角定規とけびき針で線を入れます。この線は単なる目安ではありません。キャビネット前面に残す未加工の木部を守る境界です。
止め溝では、背面に開いた端が一つ、前面側に閉じた端が一つあります。前面側を明確に印してください。板を作業台上で回転させると、反対の方向から掘り始めてしまうのは意外に起こりやすいことです。
不要材を除く前に側壁を切る
3. けびき線を深くする
各けびき線にのみを当て、刃裏を不要材側に向けて軽く垂直に切り込み、肩を強めます。次に、不要材側から薄い削り片を取ります。これにより鋸を導く細い溝ができ、仕上げ面を鋸が横切って逸れるのを防げます。
止め側の端も同じように扱います。鮮明なけびき線を入れ、のみで慎重に深くしてください。この段階では、のみを強く打ち込まないようにします。目的は深さまで切り込むことではなく、きれいな境界を作ることです。
4. 長い側壁を鋸で切る
二本の長い墨線に沿って鋸を入れ、罫引きした深さの少し手前で止めます。薄い挽き目の胴付き鋸は作業を制御しやすくしますが、正確に挽き始められるなら、適切に研がれた鋸であれば作業できます。
鋸は各けびき線の不要材側に保ちます。最初の数ストロークではけびき線の壁をガイドにし、切り進めながら深さ線を確認してください。浅く正確な鋸引きのほうが、急いで一度に深さまで切るより優れています。
止め線を越えて鋸を引いてはいけません。鋸では、見える木部まで切り込まずに角の立った止まり穴を作れないため、前方の境界はのみで切る必要があります。
写真: Dominik Scythe on Unsplash。
少しずつ不要材を取り除く
5. 止め側の端に逃がし切りを入れる
止め側のけびき線にのみを当て、刃裏を不要材側に向けます。まずは少しだけ垂直に打ち込みます。続けて、不要材側から小さな切りくずを取り除きます。
溝を深くするにつれて、この作業を繰り返します。段階的に進めることで前方にしっかりした壁を残せ、のみが境界を越えて繊維を押し出す傾向を抑えられます。止め側の壁を支点にして、のみをてことして使ってはいけません。その力で溝の端の短い木目が傷ついたり割れたりすることがあります。
6. 中央部をのみで掘る
鋸の切り込みの間にある不要材を、浅い層ごとに取り除きます。仕上げる両側の縁に直接こじりつけるのではなく、溝の中央付近から始めて側壁に向かって進めてください。のみを刃裏側を下にして使い、軽い打ち込みと削りで効率よく材を除けますが、最終深さより少し上に木部を残します。
溝が深くなったら、開いている背面の端から止め側の端へ向かって作業します。この方向なら切りくずの逃げ場があり、前方の壁も保ちやすくなります。のみは溝幅より狭いものを使い、角が側壁を傷つけないようにしてください。
この段階では底面が粗くても問題ありません。それは想定どおりです。最終深さを均一に整えるために、ルータープレーンを使います。
7. ルータープレーンで底を平らにする
ルータープレーンの刃を、最初は浅い切り込みに設定します。鉋の底を溝の周囲に残した未加工面へ載せ、開いている端から始めて溝に沿って削ります。少しずつ止め側の端へ進めてください。
幅の広い底面が周囲の面を基準にするため、平らで深さのそろった底面を作れます。罫引き線に近づくにつれて、薄い削り屑を取っていきます。ルータープレーンの刃と本体に十分な逃げがあれば、角の立った止め側の端まで削れます。届かない場合は、できあがった底面を基準に確認しながら、残りの小さな部分をのみで仕上げます。
深さ線は目安として使いますが、最終的には棚板をはめて結果を確かめてください。きれいで平らな底と直角な側壁を持つ溝は、印した線に達しているように見えるだけの溝よりも、はるかに実用的です。
写真: Philip Swinburn on Unsplash。
棚板を慎重に合わせる
8. 無理に押し込まず試し合わせする
軽く手で押して、棚板を溝に入れてみます。棚板は真っすぐ入り、がたつかずに底へ収まるべきです。確認していない状態で、棚板を叩いて溝へ入れてはいけません。引っかかる場合は棚板を抜き、棚板の縁にできた光沢のある圧縮痕や、溝内の高い部分を探します。
設計上許されるなら、溝がほんのわずかに狭くて棚板が入らない場合は、まず棚板を修正してください。棚板の縁の下面を、両端から中央へ向かって軽く鉋がけすれば、見える上側の角を保てます。一、二回鉋をかけたら、もう一度試し合わせます。
棚板が底には収まるもののがたつく場合は、底面がまだ均一ではありません。ルータープレーンに戻り、非常に薄い削りを取ります。前方で止まって奥まで収まらない場合は、止め側の壁と棚板の端を確認してください。小さな削り残しの段差はよく起こるため、力で押し切ろうとせず、慎重にのみで削り取ります。
9. 見える縁を整える
合わせが決まったら、よく研いだのみで必要な最終の削りを行います。のみの当て方は意図的に保ちます。側壁を整えるときはのみを壁に平らに当て、小さな高い部分を取るときは底に平らに当てます。棚板が収まった後も削り続けたくなる誘惑には抗ってください。止め溝に余分な遊びは必要ありません。
接着または乾組みの前に、切りくずを払い、キャビネット側板の前縁側から止め側の端を確認します。前面は、途切れのない一枚の木材として見えるべきです。かすかなけびき線が見えていても、通常は最終的な表面仕上げで和らぎます。ただし、くっきりとしたキャビネットの形が失われるほど縁を丸めないようにしてください。
避けたいよくある失敗
公称の棚板厚で溝を切る
合板などの板材や鉋がけした無垢材は、表記どおりの厚みとは限りません。相手となる実際の棚板から直接墨付けすれば、予想外に緩すぎたりきつすぎたりする溝を防げます。
早い段階で溝を深く掘りすぎる
深くのみを打ち込むと底面が不均一になりやすく、止め側の端で繊維をこじる危険も増します。最終深さを整えるために作られたルータープレーンのために、少し材を残してください。
鋸を止め線より先まで引く
意図した端を越えた鋸目は、見える前縁に向かって伸びるため隠しにくくなります。鋸で切るのは長い二つの側壁だけにし、止め側の端は制御したのみ作業で作ります。
合わせる際に棚板を無理に押し込む
きつい棚板は溝の側壁を押し広げたり、周囲の繊維をつぶしたりします。引っかかりの原因を見つけ、必要最小限の木部だけを取り除いてください。
背面から前面への向きを見落とす
開いた端は、隠れるか構造上適切な側、通常はキャビネットの背面に来るべきです。最初のけびき線を入れる前に、前、後ろ、内側、外側を印してください。
手で切る止め溝は、静かな木組みです。ほとんどは隠れていますが、棚を着実に支えています。その価値は、棚に広い支持面を与えることと、途切れのない前縁を保つことにあります。明確な墨付けと控えめな切削によって、これは速さよりも忍耐を報いてくれる継ぎ手になります。